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コラム

第27回 「実践的」における3つの意味

 弊社は、世の中にある一般的な手法ではなく、独自に開発した手法をもとにしたコンサルティングを基本としています。弊社の手法は、様々な業界・業種のものづくりの会社のR&D現場で仕事をする技術者、研究者の方々との取り組みの中で得られた知恵を汎用化したものであり、経営側からの視点のみに基づく管理的な手法や仕組みではなく、実践をとおして経営と現場をつなぎ、組織の力を高めるための仕掛けです。

 そして、弊社の手法に対するこだわりは、“実践的”であることです。言うまでもなく、価値を生み出すのは現場であり、一人ひとりの技術者、研究者の仕事です。すなわち、どのような手法も現場で実践されなければ意味を持ちません。そのためには、現場の技術者、研究者がメリットを感じるものである必要があります。現場がメリットを感じない手法は、継続されず、表面的な形ばかりの形骸化したものになってしまいます。

 しかし、世の中には、管理する側の論理を中心に構築されている手法が少なからず存在するように思います。管理するため、あるいは評価するためだけの見える化手法や、実施するうえで細かいルールや作法ばかりが重視される手法など、およそ実践的とは言えないものも見受けられます。勿論、組織を動かすうえで、管理や評価のための手法や仕組みが不要というわけではありません。特に組織の規模が大きくなれば、そのような手法はある程度必要になります。しかし、現場の視点を離れ、「管理するための管理」、言い換えれば、管理を目的とした手法が中心になってしまうと、経営と現場は乖離し、組織の力は低下します。

 弊社では、経営手法の本質的な意味は、「管理すること」ではなく、「経営と現場をつなぐこと」であると考えています。そのためには価値を生み出す現場、そこで働く技術者、研究者がメリットを感じる“実践的”なものであることが求められます。そこで、弊社では、この“実践的”という言葉を、下記の3つの意味で捉えています。

①直観的に理解できること
 一目見て、その意味と全体像が直観的に理解できるものであること。複雑な仕組みや細かいルール、作法などが極力必要のないこと。細かいルールや作法が必要なものは、それを教える側(大学の先生やコンサルタントなど)には都合がよいかもしれませんが、組織の中で継続的に活用されるうえでは意味を持ちません。

②気づきを生み出す視点やプロセスを内包していること
 知っていることや世の中の情報をきれいに整理するようなものではなく、実践をとおして深い思考や議論を促し、これまでの思考の枠を超えた新たな気づきをもたらすものであること。言い換えれば、組織におけるダブルループ学習を促進するものであることです。

③汎用化されていること
 特定の業種・業界や製品、技術分野に対するものではなく、様々な会社で活用できる汎用的な知識として昇華されたものであること。汎用化されているということは、それをもとに応用できるこということであり、特定の会社、製品、技術の特性や課題に沿った応用性が高いということでもあります。

 弊社は、上記の3つの意味を大切にしながら、現場の技術者、研究者がメリットを実感し、経営と現場をつなぐことによって成果を形にしていく“実践的”な経営手法を開発・提供し、ものづくり企業のR&D現場、そして一人ひとりの技術者、研究者に貢献していきます。

ケミストリーキューブ
平木 肇



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