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コラム:コンサルティング現場からの気づきCOLUMN

第40回 効果的な特許情報分析の進め方コラム:コンサルティング現場からの気づき

近年、ビッグデータやAIなど情報分析ツールを研究開発に活用する動きが加速しています。弊社では、情報分析に関して「特許情報を活用したイノベーション」を提供しておりますが、このすべてのお客様で情報分析ツールを導入されており、情報分析のニーズが非常に高いとみられます。しかし、成果が出ているかというと、そうでもありません。
例えば
 ・パテントマップを作成したものの、何をどう解釈すればよいのかわからない。                     
 ・特許を2000件読み、Excelを使ってリスト化したが、どう活用すれば良いかわからない。
 ・特許の課題と解決手段を整理したが、その結果をもとに、何かが進んだたわけではない。
など、結果につながらないという悩みは、逆に、大きくなっているように感じます。

 そこで、今回のコラムでは、効果的な特許情報分析の進め方について取り上げてみようと思います。
 
 はじめに、健康診断の血液検査を例にとり、「情報分析とは何か?」について考えてみます。

 健康診断では、「健康に暮らす」という最終目的があります。この最終目的に対して、健康診断の分析目的は、「病気の予兆をつかむこと」になります。そして、分析目的を実現するための1つが血液検査(分析)です。血液検査では、血液を成分に分けて行います。次にその成分の値を確認し、基準値との比較、あるいは、時系列に値を並べ整理することで悪化の兆候みられるかを解釈します。例えば、LDLコレステロールで異常値が見られた場合、動脈硬化や脂質異常症などを引き起こす危険が高まるということがわかるので、EPAなどを豊富に含む青魚を積極的に食べる、毎日適度な運動をして体を動かすなどの行動を行います。

 つまり、情報分析とは、「最終目的を実現するための分析目的を設定」し、その分析目的を実現するために「分析すべき情報を要素に分け、整理し、解釈する」、そして「解釈結果に基づき行動すること」といえます。

 それでは、効果的な情報分析を行う上で、どのようなことがポイントなのか?考えてみます。

 最初に、「最終目的を実現するための分析目的を設定」することが必要です。しかし、冒頭の事例のように、目的を深く考えないまま、「分析してから、何が言えるかを考える」という進め方が多いというのが実感です。効果的な情報分析の第一歩は、「分析する前に、徹底的に目的を考える」ことですので、是非、実践頂きたいと思います。

 次に、「分析すべき情報を要素に分け、整理し、解釈する」という情報分析のメインプロセスです。以下に、それぞれのポイントを示します。

分析すべき情報を集める
 特許情報は、宝の山とも言われますが、実は、ノイズも多く、ゴミの山とも言えます。特許分類やキーワードなどで作成した特許の検索式では、多くのノイズを含むため、そのまま分析することは避け、適切な特許のみ選定することが重要です。

要素に分ける
 要素の分け方として、一般的に、特許分類が使われます。しかし、特許分類は権利観点で同じものを集めるために付与されたものにすぎず、分析に適しているとは限りません。どのような分け方をすれば、目的を実現できるのかを考えることが、分析の本質です。

整理する
 整理するというのは、分けた要素どうし、あるいは、各要素の時系列動向などを、図表などにすることで、解釈しやすいように加工するということがポイントです。

解釈する
 解釈とは、多い・少ない、増えている・減っている、というような事象ではありません。それらの事象を踏まえ、なぜ、多いのか?など、その背景や原因を読み解き、行動につながるように考えることです。

 最後に「行動する」ことです。企業では、分析しただけでは価値がありません。分析結果をもとに、次の行動につなげた時に、初めて、価値が生まれます。特に、大企業では、分析担当者(組織)と実行担当者(組織)が分業化されているため、分析担当者は、行動につなげるという認識が不十分のまま、評論家的な分析に陥る懸念があります。分析に携わるメンバーの皆様は、「分析は行動するためのもの」であることを、強く認識頂きながら分析を進めることをお勧めします。

※特許情報分析に関しましては、弊社コラム(第37回 特許情報分析ツールの功罪と処方箋)もご参照いただければと思います。
https://chemistrycube.com/column37.html

2021年7月
ケミストリーキューブ
葉山 英樹



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